2015年08月26日
鰹節と昆布のだしは、和食では基本中の基本となるだしです。クセがないため、野菜や根菜、肉類等旨味が出る具材にぴったりです。
昆布の旨味成分であるグルタミンとかつおぶしの旨味成分であるイノシン酸が合わさると、旨味がもっと強くなり、素材の味を一層引き立たせることができます。
グルタミン酸は1866年に、ドイツの化学者のリットハウゼンによって発見されました。その後1908年に東京帝国大(現東大)の池田菊苗教授は、このグルタミン酸が旨味となることを発見し、当時考えられていた4つの基本の味である「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」に「旨味」を加えました。そのためグルタミン酸は最初に発見された「旨味」です。
また、イノシン酸には様々な効果があります。イノシン酸はDNAの原料なので、食べることで細胞が活性化し、新陳代謝がアップしたり、ヒツチジンと呼ばれるアミノ酸によってリパーゼという酵素を活性化し、中性脂肪の燃焼を促してくれたりします。また、鰹にはアミノ酸が結合したペプチドが大量に含まれており、疲労物質である乳酸を分解する酵素を増やしてくれる働きがあります。
ちなみに、英語には「旨味」を表す言葉がないため、国際的にも学術的にも「旨味」は「umami」と言われています。
そんな日本固有の「旨味」をより強く感じることができる鰹節と昆布だしですが、大きく分けて、一番だしと二番だしの二種類があります。一番だしとは、香り豊かなだし汁で、お吸い物等を作る時に適しています。二番だしとは、一番だしで使用した鰹節と昆布から再びだしをとったものです。一番だしよりも二番だしの方がだしをとる時間が長いので、旨味がたっぷり出てきます。二番だしにおすすめの料理はお味噌汁や煮物です。
だしの旨味に加えて具材の旨味を加えたおいしいお味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか。