対談「糀のチカラでしあわせ届けたい」

金沢・ヤマト醤油味噌 四代目ブラザーズ対談「糀のチカラで幸せ届けたい」

※生玄米甘酒「一日一糀」発売を記念し、2015年に収録しました。
※音声が流れますので再生時は音量にご注意ください。
※下に対談の全文書き起こしもご用意しました。

           

対談「糀のチカラでしあわせ届けたい」

※全文書き起こし掲載は2020年9月で、掲載にあたり補足を追記しました。

創業からの歩み

代表・山本晴一(以下、晴一):1911年の創業ですから2015年で104年目になります。
(本稿掲載の2020年現時点、おかげさまで創業109年になりました。)
初代が船乗りで金沢と北海道を行き来して、
2代目が醤油の醸造を始めて、
3代目が味噌の醸造を付け加えて、
私(4代目)がめんつゆドレッシングを始めて、
工場長が入って、新しい研究成果が糀関連の調味料や甘酒です。

工場長・山本晋平(以下、晋平):ベースの技術というのはもう1000年以上日本で培われてきた技術ですが、
そこにまた新たな素材を持ち込んで、
先人たちがやらなかったものを作りたいと
そういう意図を持っていつも研究開発業務にあたっています。

発酵食品の奥深さ

晴一:発酵食品っていうのはある日作ってハイ出来上がりましたっていうものではなくて、
調合して味噌桶に入れて、木桶の中で最低半年、
長いものは8ヶ月だったり14ヶ月だったり寝かせて、初めて売り物になる、
「時間がつくる味」っていうのがあるんですね。
特に香りの部分は微生物たちの働きで初めて醸し出される・・・
うまみだったり香りっていうのは、
私らがつくるわけじゃないんです。
僕はそれが日本の知恵だと思うし、より自然ということでヤマト醤油の商品群があるので。
味は人が作れるけど、香りの部分っていうのは熟成した時間がつくる香りですから。
熟成の長い味噌や醤油は、
うまみも香りもコクも、後味もいいという。
(それこそが)発酵食品の良さですよね。

晋平:(例えばドレッシングづくりのように)自分で味をいろいろ混ぜて作るっていう
そういう仕事と発酵食品はちょっとちがっていて
それを微生物につくっていただくという立場なものですから、
微生物が過ごしやすい環境を整えるとか
周りの環境を整えるような仕事でつくっていくっていう
そこが奥が深くて 仕事のおもしろさがありますね。

海外展開について

晴一:パリでは9店舗の3つ星レストランのうち7店舗で
ヤマト醤油味噌の「ひしほ醤油」を使っていただいています。
シェフにご指名していただいたり、
一人気に入ったシェフがいると仲間のシェフにご紹介していただいたりして、
少しずつ広がっていったんですけど2005年からですから、もう10年。
パリで10年やっています。
パリでヤマト醤油というとブランドですよ。
金沢でこの商売をしているのはとてもありがたいことで

要求水準の高い金沢の食文化で磨かれたから(パリでも)ご評価いただけたんだろうなって。
(2020年本原稿掲載時もお取引は継続しており、15年にわたり現地のご支持を頂いています。
ミシュラン・ガイド星付きレストランの件数は2015年当時の数字のまま。)

ありがたい!
ここ(金沢)で生まれてここで育てられて。

加賀の食文化について

晋平:加賀っていうのは江戸時代に文化を築いた加賀藩という大きな藩があって、
そこの食文化を支えていた醤油なり味噌なりっていう技術がありました。
それを引き継いで今現在に至っていますから
いかにその特徴を出せるかっていうことも含めて
いつも(研究開発を)考えています。

糀の文化を次世代へ

晴一:糀部って部活動(料理教室)をやったりすると、
おだしを取って味噌や醤油で味付けをするっていうのが和食の定義と思うんですけど、
ほとんどそれがもう若い世代に受け継がれていないっていうことに愕然(がくぜん)としました。
(その若い世代の人たちが、料理教室で)塩糀だったり甘酒で煮物をしたり
みりんを使ったりして砂糖なしでもお料理できるっていうのが分かったりして、
若い人には「新しい調理方法」として
「わあ、これいいね。簡単ですぐできて良いね」って。
僕らは片方では
「それって昔からあるのにここへ来て初めて気がついたのかな」って思う反面、
本当にそれに感動して一生懸命やっていく姿も見せてもらうと、もう片方で
(私たちは糀づくりという)1000年前からずっと同じ事をしているわけですけど、
それをもういっぺん翻訳して広めていくっていうのは、
僕らの世代の、一つの大きな仕事じゃないかなと思っているんです。

メッセージ

晋平:ヤマト醤油の目指しているのは、
本当に体に良い、
健康で喜びに満ちた食生活のお役に立ちます、
っていうことで
(その実現を)本当にできるものが味噌だと思うし、
また新たに作っていく商品もそうなるように心がけてやっていますので、
一度ぜひ味を見ていただきたいというのがメッセージです。

晴一:本当はお味噌がいいのよ。
毎朝お味噌汁。
それがだめでも(お味噌汁を飲めない日は)、「一日一糀」

日本で初めての生玄米甘酒「一日一糀」発売を記念して、社長と工場長の両名で
ヤマト醤油味噌のモノづくりの方針について対談しました。

「伝統技術に基づいて先人たちの作らなかった新しいものを作りたい」
「1000年前からつづく糀の良さを今に翻訳して伝えたい」

こうした二人の志が「糀でしあわせ届けたい」という言葉に詰まっています。
※2015年収録後動画公開。書き起こし全文は2020年に補足を追記してWEB掲載いたしました。

プロフィール

(左)山本 晴一(やまもと せいいち)
   ㈱ヤマト醤油味噌 代表取締役社長

四代目代表取締役社長。埼玉大学卒。在学中に北アメリカのオレゴン大学へ留学し英語堪能。卒業後、地元の酒造会社で修業を積んだのち1983年に家業の「株式会社ヤマト醤油味噌」に入社。1987年、修業時代の吟醸酒づくりにヒントを得て、日本で初めて生(なま)醤油を商品化した(「ひしほ醤油」)。以来フランスの三ツ星レストランをはじめ欧米の百貨店から引き合いを受ける。1995年には“大野町に来ないと食べられない名物をつくりたい”という想いから「しょうゆソフト」を開発。その後現在にいたるまで“あたらしい伝統食”を数々生み出している。

(右)山本 晋平(やまもと しんぺい)
   同 取締役工場長

現ヤマト醤油味噌工場長・工学博士(Ph.D.)。金沢大学工業化学科卒業後、東洋紡株式会社に勤務。その後、地元に戻り家業の醤油・味噌製造に携わる。伝統食品が科学的にも健康に優れていることを証明したい想いから、金沢大学の自然科学研究科物質科学コースに社会人学生として再入学。3年間の研究の成果を日本初の甘酒研究論文「糀甘酒の機能性に関する研究」にまとめた。酵素が活きた生の玄米甘酒「一日一糀」をはじめ、数々の発酵食品を生み出す立役者。

【品質管理体制】金沢ヤマト醤油味噌の品質管理

FSSC22000(食品安全システム認証)を取得しました。


●北陸3県の食品工場では初!
●醤油業界では二番目にFSSC22000を取得しました。
(2012年10月16日)
●認証範囲=醤油、味噌及び塩の液体調味料の製造

株式会社ヤマト醤油味噌は、美味しさ、品質、安心・安全においても世界最高の醤油&つゆ等調味料の製造をするべく、毎日真摯にこのプロセスを守り、記録を付け、改善に務めています。

【ISO22000とは】ISO22000(International Organization for Standardization)とは、『食品安全マネジメントシステム-フードチェーンに関わる組織に対する要求事項』の国際標準規格です。安全な食品を生産・流通・販売するために、HACCP手法とISO9001(品質マネジメントシステム規格)を基礎としたマネジメントシステムを運用するために必要な要求事項を規定しています。
【PAS220とは】国際的な食品メーカーや食品流通会社の連合組織である GFSI(Global Food Safety Initiative)が定めた前提条件プログラムを適用した食品安全基準システムです。ISO22000ではカバーできなかった食品安全対策(フード・テロ、原材料やアレルギー物質の管理など)について、具体的に定めています。

木桶による、長期熟成


流通している味噌の多くはプラスチック(FRP)やステンレス製のタンクで醸造されますが、ヤマト味噌は80年以上受け継ぐ木桶で醸造をしています。木桶そのものや蔵の中には、蔵付酵母と呼ばれる独自の酵母が生きており、ヤマトならではの味わい深い
風味を醸し出します。プラスチックやステンレス製のタンクは清掃が簡単ですが、菌はすみつけません。
また、ヤマト味噌は木桶で半年~1年以上熟成させます。業界の一般的な熟成期間より3~6か月以上長く寝かせる為、効率は良くないかもしれませんが、塩角が取れたまろやかな味わいは、他に替えがたいものです。今後も木桶による長期熟成に挑戦し続けます。

酵素の力=活酵素


こうじ(麹&糀)は国菌と呼ばれ、自然界では世界一効率よく酵素を産出する事が知られています。酵素によって、「お肉が柔らかくなる」「旨みが増す」「甘味が増す」「野菜が美味しくなる」等の働きがあることは塩糀のブームで皆さん実感していらっしゃると思います。糀が出す酵素を利用する「発酵食品」は、日本の伝統的な知恵の塊だと私自身感じております。また日本人の食文化の素晴らしさを再認識する時でもあります。こうした酵素活性のある食品を、ヤマトでは今回「活酵素」として表示させて頂きました。

日本三名山、白山の伏流水を使用


日本三名山のひとつ、霊峰「白山」を源とした伏流水。当社の醤油や味噌の醸造に、創業以来井戸水として使い続けています。本社工場内では、糀づくりの米を蒸したり、味噌づくりの大豆を煮上げることから、めんつゆの大釜でのだし取りや、甘酒の仕込みまで、すべてこの水を使わせていただいています。発酵食美人食堂®の出汁(だし)や玄米炊き、水出しコーヒーも同様で、ご好評頂いています。

                 


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